世界中には様々な宗教がありますが、ここでは有名な宗教上での埋葬法をご紹介します。
世界の宗教人口
世界の宗教人口は、キリスト教が20億人、イスラム教が11億人、ヒンドゥー教が9億人、仏教が3億5千万人といわれています。
宗教により埋葬のやり方が異なることは事実ですが、例えば、日本では法律で埋葬の方法が決められているので、土葬しなければならない宗教でも土葬できない場合があります。
ヒンドゥー教の埋葬
ヒンドゥー教徒は、インドが8.3億人、世界では約9億人と言われています。
ヒンドゥー教では、死者を天界に送るため、遺体を焼いて、聖なる川であるガンジス川に流します。
死んだ人は、火葬されてきれいな身体で輪廻して生まれ変わるので墳墓は不要で作りません。だたし、僧侶であるバラモンはすでに、解脱しているため、生まれ変わらないため、棺桶に入れて土葬します。
イスラム教の埋葬
イスラム教では、火葬は禁止されており土葬します。
ただし、土葬の際には白い布につつみますが、棺には入れずに埋葬します。
土葬ですからお墓があります。
キリスト教の埋葬
カトリックでは、死者は天国で復活し、永遠の休息が与えらるとされています。
人間には原罪があり、葬儀では原罪が許されるようお祈りします。
故人の属していた教会で、指定の業者が葬儀を行います。信者は黒いベールを被って参列します。
一方、プロテスタントの葬儀では、神に対する感謝を捧げます。厳格な型式はありません。
土葬の場合は、頭が西側に来るように、棺は東西方向に埋められます。
カトリックでもプロテスタントでも、火葬が増えてきています。カトリックが必ず土葬というわけではありません。
日本の埋葬の歴史
縄文時代には、身体を曲げた状態で埋葬する屈葬が行われていました。弥生時代になると、体を伸ばして埋葬する伸展葬になりました。
紀元3世紀から7星期頃の古墳時代に貴族や豪族を古墳に埋葬していました。棺は石室に銅鏡や剣などの副葬品とともに 埋葬されました。聖徳太子の時代には、大型の古墳は姿を消し、貴族などの間で火葬が始まりました。
710年からの奈良時代になると都の中には墓を作ることができなくなり、平安時代には、高野山に火葬した骨や遺髪を納めるという高野納骨が行われました。
鎌倉時代や室町時代には、仏教の影響もあり、葬儀が普及してきました。江戸時代になると、それまでは庶民には普及しなかった墓地を作ることが、庶民も行うようになりました。
明治時代には、神道の影響で火葬禁止令が出されましたが、2年後に火葬が再開されました。大正時代には、霊柩車も使われはじめ、現代の葬儀が形作られてきました。