少し息が上がる程度のウォーキングでも効果がある
「運動がうつ病の予防効果をもたらすメカニズムを解明するには、さらに多くの研究が必要ですが、運動にはメンタルヘルスを改善する、身体的・社会的な複合的ベネフィットがあることは明らかです」と、ハーバー氏は言う。
うつ病の予防効果を得るためには、発汗をともなう息が切れるような激しい運動である必要はなく、少し息が上がる程度の運動でも十分だという。
うつ病の発症に影響する、社会経済および人口統計学的因子、薬物の使用、BMI,新体制疾患の既住歴、社会的なサポートなどの影響を考慮しても、運動にうつ病を予防する効果があることは明らかだった。
オーストリアでは、運動週間がまったくないという成人が20%に上り、3分の1以上が週に1.5時間の運動もしていないという。一方で、16〜85歳の成人の5人に1人がうつ病などの精神疾患を発症している。
ブラックドック研究所では今年9月に、オーストリアの全国で運動によりメンタルヘルスを改善するためのキャンペーンを展開した。
「運動をメンタルヘルス向上させるプログラムに組み込む必要性があります。公衆衛生でのキャンペーンとして、運動を幅広く呼びかけることも必要でしょう。ポピュレーションレベルを運動や身体活動を引き上げることができれば、心身ともに健康効果を得ることができます。しかもそれは、週あたり1時間程度という、少しの運動だけでも効果があるのです」と、ハービー氏は述べている。
無理な運動はしなくてもいい!と言ってもなかなか運動自体に取り組めないですよね。。